Japanese
English
症例報告
重症多発外傷による精神的な不安を抱いた12歳男児への取り組み
The case report of a 12-year-old boy with an unsettled state of mind caused by severe multiple injury
池知 良昭
1
,
山名 翔之典
2
,
矢野 裕子
1
,
市ノ瀬 有佐
1
,
三木 恵美
3
,
小野 恭裕
1
Yoshiaki Ikechi
1
,
Shonosuke Yamana
2
,
Yuko Yano
1
,
Arisa Ichinose
1
,
Emi Miki
3
,
Yasuhiro Ono
1
1香川県立中央病院
2四国中央医療福祉総合学院
3広島大学大学院
キーワード:
急性期病院
,
精神機能
,
作業療法
Keyword:
急性期病院
,
精神機能
,
作業療法
pp.711-715
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200632
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Abstract:もともと精神疾患をもたない患者が,急性期病院に入院した後に,心理的な問題が出現するケースに出会うことがある.今回,交通事故により多発外傷を呈した12歳男子中学生A君の入院中に生じた不安感,抑うつ等の精神機能の低下に対し,カナダ作業遂行尺度(以下,COPM)を実施し,A君の重要な作業である「野球」や「遊び」を作業療法場面に導入した.結果,COPMの遂行度が改善し,抑うつが軽減した.またA君は中学校復学に対する話題を避けていたが,退院前日には前向きな発言となった.急性期病院にて入院患者の精神的な健康を促進するために,主治医から指示された安静度,患者の心身の状態を把握すること,適切な時期に患者にとって重要な作業を把握すること,その際,方法を検討し,段階づけ,安全な治療環境を設定すること,患者に対し支持的な態度で接し,作業を通じて共に時間や場所を共有することがOTの役割の一つではないかと考えた.
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