50巻記念企画
作業療法教育を巡るこの10年
池田 望
1
Nozomu Ikeda
1
1札幌医科大学
pp.1004-1010
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200696
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はじめに
今から約10年前,2005年(平成17年)当時は,OTの養成施設がまさに急増している最中だった.高齢者の増加によるリハビリテーションニーズの高まりと,1999年(平成11年)以降の規制緩和策がその背景にあったわけだが,養成施設の急増は一方で作業療法教育やOTの質の低下に関する懸念を引き起こしていた.筆者が当時所属していた日本作業療法士協会(以下,協会)の養成教育部では,懸念への対応として,作業療法教育の最低基準の策定や臨床実習の手引きの見直し等,教育の質を高めるための指針づくりを行っていたほか,生涯教育部でも新人研修の強化等,生涯教育の整備を進めていたのを記憶している.
それから10年,作業療法教育を取り巻く状況はどのように変化したのか.この論考では2005年前後以降の日本の作業療法教育を巡る状況を,他職種の動向や海外の作業療法教育,また社会の作業療法ニーズを踏まえて,筆者なりの展望を述べることにする(表1).
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