増刊号 実践に役立つ! 生活行為向上マネジメント
第4章 教育現場での実践例
column 5 生活行為向上マネジメントをうまく実践できなかった要因—訪問リハの場合
猪股 英輔
1
Eisuke Inomata
1
1湘南医療大学
pp.954-956
発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200682
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
介護報酬改定にも後押しされ,OTが自宅を訪問する機会(本稿では総じて「訪問リハ」とする)が拡大してきている.たとえば,訪問介護と訪問リハ(訪問看護ステーションからの訪問を除く)との「生活機能向上連携加算」や,通所リハにおいても「リハビリテーションマネジメント加算」の算定要件に居宅訪問によるアセスメントに基づき,家族や訪問介護員に日常生活の留意点,介護の工夫等について助言・指導することが明記された.また,通所介護の「個別機能訓練加算」は,機能訓練指導員等が居宅訪問し,利用者の生活状況を把握して多職種協働で評価することが訓練計画に反映されるように求められている.
しかしながら,訪問リハは外からみえにくく,医療機関や施設のように即時に他者のコンサルテーションを受けにくいという特性をもつ.家族が「リハの先生にお任せ」というケースもある.それだけに訪問リハのOTには,専門外の領域についても生活機能の視点からどのようにマネジメントしていくかが問われる.そこでOTが,対象者の課題と目標を生活行為向上マネジメント(以下,MTDLP)で整理し,他の支援者と情報共有できれば,協働のための強力なツールとなる.
Copyright © 2016, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.