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日本理学療法学術大会は,昨年の第50回記念大会を節目に,新たな一歩を踏み出しました.日本理学療法協会は,2013年(平成25年)に学術活動の自律性を意識した組織改正を行い「日本理学療法士学会」を改組し,下部機関となる「分科学会」と「部門」が設立され,日本理学療法士学会の分科学会化がなされました.第51回日本理学療法学術大会は,全12の「分科学会の学術集会」が時,場所を同じくして開催される最初の“連合”大会です.日本理学療法士学会が,より専門性を高め分科していく過程において,あらためて理学療法のアイデンティティの再確認の必要性を感じております.そこで,本大会のテーマを「理学療法学のアイデンティティ—基盤と分科」としました.
本大会では,大会企画として4講演を企画しています.初の“連合”大会であることを踏まえた基調講演から始まり,特別講演1では日本理学療法士協会・相談役(元会長)の奈良 勲先生に「理学療法士のアイデンティティ」をテーマにご講演をお願いしております.情熱あふれる奈良先生の歴史的省察と提言を生で拝聴できる貴重な時間になるものと思います.特別講演2では再生医療に関する第一人者であられる札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所・教授の本望 修先生に「再生医療における理学療法への期待」をテーマにご講演をいただきます.再生医療は理学療法における今後の重要な対象領域であり,これからの理学療法士のあり方をご示唆いただけるものと確信しております.国際講演ではワシントン大学のShirley A. Sahrmann先生に,世界的名著である『運動機能障害症候群のマネジメント』(訳本)に基づく「理学療法のアイデンティティ」をテーマにご講演をいただきます.協会企画は,国際展開と医療介護現場という理学療法の広がりを感じさせるテーマとなっております.各分科学会・関連部門の企画セッション,特別講演,教育講演等は完全にそれぞれの分科学会と関連部門の企画です.本大会の演題数は全分科学会学術集会で総計1,754演題に上ります.産学連携セッションも企画しました.本大会と企業が連携して,学術的な内容を企業指定の講演者によって講演いただく企画です.
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