扉
地域包括ケアの時代
清水 宏明
1
1秋田大学脳神経外科
pp.581-582
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203081
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65歳以上の人口は,現在3,000万人を超え,4人に1人となっている.団塊の世代800万人が75歳以上となる2025年には,医療や介護の需要がさらに著増する.ただし,65歳以上人口の絶対数は2042年の3,900万人をピークに減少するため,入院病床や入居型介護施設を増やしすぎるといずれ供給過多になる.そのため,「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の各サービスを一体的に受けられる支援体制を早く構築し,介護が必要になった高齢者も自宅や地域で暮らせるようにする必要がある,というのが厚生労働省の「地域包括ケアシステム」である.
世界に類をみない日本の高齢化は,地方・大都市それぞれに異なる問題を提起している.なかでも先頭を行くのが秋田県であり,2012年の高齢化率は30.7%,2040年には43.8%,いずれも第1位である.ただし,東京都や神奈川県でも21%から2040年には33〜35%に上昇するため,いずれにしても全国的な問題であり,秋田での取り組みとその反省が,地域ごとの状況の相違はあれ,全国に影響を与えうる問題と思われる.
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