増刊号 認知症と作業療法
第2章 時期(重症度)別にみる認知症の作業療法の実際
11 —施設①—介護老人保健施設での認知症への作業療法—「1日でも家の天井を見て寝る」を実現するために今私ができること
上田 章弘
1
Akihiro Ueda
1
1介護老人保健施設 恵泉
pp.703-708
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200279
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はじめに
介護老人保健施設(以下,老健)の理念は,「利用者の尊厳を守り,安全に配慮しながら,生活の維持・向上を目指し総合的に援助します.また,家族や地域の人々・機関と協力し,安心して自立した在宅生活が続けられるよう支援します」である.その理念を達成するために,①包括的ケアサービス施設,②リハ施設,③在宅復帰施設,④在宅生活支援施設,⑤地域に根ざした施設といった5つの役割を担っている.老健に勤務するOTには,認知症の有無にかかわらず常に在宅をしっかりと視野に入れた支援を,さまざまな方々と協力しながら行っていくことが求められている.また,施設にとどまらず積極的に地域に目を向けていくことが求められている.今回,当施設での取り組みを紹介しながら,老健での認知症への作業療法について私見を述べたい.
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