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書評 —福田卓民,沖田 実(編著)—「エンド・オブ・ライフケアとしての拘縮対策—美しい姿で最期を迎えていただくために」
守口 恭子
1
1健康科学大学
pp.250
発行日 2015年3月15日
Published Date 2015/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200166
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さわやかな新緑の広葉樹林の中を風が渡る.すがすがしい表紙に「エンド・オブ・ライフケア」の文字が目に飛び込んでくる.「美しい姿で最期を迎えていただくために」というショッキングな副題.この本は,表紙のような林に囲まれたエンド・オブ・ライフケアを専門とする青梅慶友病院で,人間の尊厳を守り抜くために日々拘縮対策に取り組む福田卓民氏を代表とするリハ室のスタッフと,拘縮の基礎研究をする沖田 実氏のコラボレーションを実現させた稀有の書ともいえる.瀟洒な装丁に比して中身はずっしりと重く,われわれは何をすべきか原点に立ち帰らせる.
寝たきりになったり,食事をしなくなった高齢者にあっという間に拘縮ができる体験を,終末期にかかわるリハ職種なら誰もがもっている.拘縮は永遠の課題で,避けて通れないものだが,私たちは結局なすすべがないと感じている.本書はそれを真正面から取り上げて実態を明らかにし,戦略や課題を読者に訴える.
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