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Key Questions
Q1:住民主体による見守りのあり様とは?
Q2:見守り体制の構築におけるOTの役割とは?
Q3:介護予防事業を媒体に見守り体制をつくるアプローチのコツとは?
はじめに
筆者は市町村行政の中で,OTとして勤務し19年目を迎える.自身の業務の中心に介護予防支援があるが,近年,国は「地域包括ケアシステム」の実現に向け,介護予防のさらなる推進を打ち出している.
2006年度(平成18年度)から始まった介護予防事業だが,8年が経過し,2013年(平成25年)12月に出された社会保障審議会介護保険部会の「介護保険制度の見直しに関する意見」では,これまでの問題点やこれからの方向性が示されている(図11)).そこには,今までの介護予防施策は個別支援かつ直接的なアプローチが中心であり,地域の中での通いの場や役割の創出までを包括した,環境へのアプローチが十分できていないという問題が提起されている.また高齢者リハのイメージ図(図21))が示され,生活期リハの中で,「活動」や「参加」への積極的なアプローチの必要性と環境への支援が明記されている.
これだけ環境が注目されている理由はなぜだろうか.リハ専門職の多くが,身体機能の改善が最大の関心事であり,環境にあまり関心を示してこなかったからなのか.それとも,生活期の環境を含めたアプローチが重要であると見直された結果だからなのか.いずれにしても,リハ専門職の環境への関与は,リハ専門職内部からだけではなく,外からも注目を集めていることは間違いない.
筆者の主な業務に個別支援としての住環境整備のプランニングがあるが,今回は他稿にお任せし,津山市(以下,当市)で行っている介護予防事業の中で,住民主体による外出の場の確保や役割の創出,さらに見守り体制の構築といった地域社会での支援や関係,そして場の提供等に焦点を当てる.
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