増刊号 脳卒中の作業療法―支援技術から他職種連携・制度の利用まで
第4章 支援技術Ⅲ 生活期:生活の広がりに向けて
5 家事
山根 佳子
1
Yoshiko Yamane
1
1宮城厚生協会 本部事務局
pp.731-736
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100569
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はじめに
家事は,脳卒中で片麻痺となった方々(以下,片麻痺者)が在宅や社会で消費活動を営み,自立生活を再獲得するために重要な課題の一つといえる.
近年,核家族化や超高齢化,女性の社会進出等,社会および世帯の構造,生活様式が大きく変化を遂げ,家事も,そのスタイルや内容が変化した.宅配(宅食)サービスの普及および乾燥機能付洗濯機,ロボット掃除機,最新技術を用いた家電製品等は家事の負担軽減・効率化に貢献した.これらは片麻痺者においても家事の可能性を拡大したが,リハに携わるOTにも,当然,その変化に対応した役割が求められる.対象者がどのような状態・状況にあっても,対象者自身,その人らしさを,その人本来の生活を再獲得することを優先に,本来行えていた活動(家事)を妨げる本質的な問題に向き合うことが大切であると考える.
ここでは家事の特性や,家事で抱える片麻痺者の困難性,不適応の問題を取り上げ,治療の方向性・具体的アプローチについて検討する.
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