特集 近代化,プロ化をめざして
群馬の保健婦の一つのあゆみ
プロの保健婦をめざして
だれもが同じレベルで援助ができるように
中村 よしい
1
1群馬県渋川市役所保健衛生課
pp.118-120
発行日 1973年2月10日
Published Date 1973/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205226
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抜けるような空の青さ,この限りない青さの広がりは神秘そのものである。すべてがすばらしい,とにかく濁ったところがない。いま私はこのような場所で南の窓からいっぱいの太陽をあびながら,ペンを走らせている。何もかもが"正"の方向に向かって"正"の方向へ回わっているかのように……。
こんな自然の美しさに感嘆している者は,ふと現在の情勢を忘れてしまう。つい先ごろまでは奇病といわれていた病気が,実は工場廃液のたれ流しによる公害病であり,連日のように公害訴訟がくり返されている。また食品中のPCB汚染,光化学スモッグ,原因不明の難病の問題等々数えあげればきりがない。ひとたび社会に出れば,このような暗然たる現実が洪水のように降りかかってくる昨今である。いまだに学校という温床のなかから抜けきれない私が,いまこうして表題のような"プロの保健婦をめざして"について述べることは,おこがましいことである。しかし,実践活動2年目を迎えた私も,このへんでじっくり今後の方向を考える必要があると思い,あえてペンをとることにした。
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