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書評 ―東京都言語聴覚士会(編)―いまを生きる―言語聴覚士と当事者の記録
澤 俊二
1
1藤田保健衛生大学
pp.1287
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100309
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他人の体験を知ることは不思議な力を自分に与えてくれる.
入学したての学生に毎年,作業療法概論の授業で多田富雄氏の『寡黙なる巨人』(集英社文庫)を読むことを課題にしている.免疫学者である多田氏は脳梗塞を患い,右片麻痺,失語症,嚥下障害,歩行障害を負った.すべて重度の方である.読後に学生たちは心を激しく揺さぶられる.そして,自分は,このような人たちとリハ医療の作業療法をもって向き合っていくのかと,おののきと同時に武器となる作業療法を学ぼうという気持ちになる.
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