連載 隣人を知ろう―真のチーム医療実現のために・8
言語聴覚士
鷹野 和美
1
,
帯川 一行
2
,
福井 幸子
3
1北海道大学医学部附属病院総合診療部
2諏訪中央病院リハビリテーション科
3大分医科大学医学部看護学科
pp.310-314
発行日 1999年4月25日
Published Date 1999/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902055
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資格と制度
言語療法士(治療士),いわゆるSTという職種は,国家資格制度がなかったために,理学療法士(PT)や作業療法士(OT)に比べて社会的知名度は低いものでした.国家資格化運動は30数年の長きにわたって行われてきましたが,1998年9月1日言語聴覚士法(法律第132号)として制定され,国家資格となりました.1999年3月28日に国内初の資格試験が実施されます.これほどまでに資格制定が長期化した理由には,現任者の活動基盤が医療,福祉,教育,開業といった幅広い分野にまたがり,その各分野において遂行される業務内容が多様であったことがあげられます.
言語聴覚士法は「厚生大臣の免許を受けて,言語聴覚上の名称を用いて,音声機能,言語機能又は聴覚に障害のあるものについてその機能の維持向上を図るため,言語訓練その他の訓練,これに必要な検査及び助言,指導その他の援助を行うことを業とする者」と定義されました.この定義には「診療の補助として,医師,歯科医師の指示の下」という文言が除外されていますが,これは医師や歯科医師のいない施設および教育の現場で,言語聴覚療法に携わる言語聴覚士に配慮されたものです.
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