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Key Questions
Q1:「ひきこもり」とは何か?
Q2:「ひきこもり」への評価と支援とは何か?
Q3:「ひきこもり」への支援施策とその課題とは何か?
はじめに
日本発の「ひきこもり」は,明るい国民性のイタリアの専門家において,「Hikikomori」がそのまま通用する.また,隣国のより厳しい学歴社会である韓国においては,「ひきこもり」が社会問題化している.そういう事情もあって,先日も韓国の放送局が日本のひきこもり施策の「ひきこもり地域支援センター」を取材に来日していた.その他,米国から「ひきこもり」研究の照会があったりする等,「ひきこもり」は日本だけでなく,先進国において,社会問題として認識されるようになってきているのが現状であろう.
しかし,「ひきこもり」と聞いて,専門家も含めて明確なイメージをもたれる方は少ないのではないかと考えている.一般的には,「不登校から閉居した方では」,「オタク系,ネット系の方では」,「うつ等の精神疾患によって閉居している方では」等,さまざまなイメージが想起され,共通の理解に至っていないのが現状であろう.施策を進める行政の立場として,「普及啓発が進んでいないのではないか」とお叱りを受け,猛省すべきであるが,ひきこもりに関しての実態調査や知見が少ない点も理解度の低さにも影響していると考えている.
そういう意味で,「ひきこもり」が本誌で取り上げられたことに感謝をしている.こういう機会を地道に積み重ねながら,「ひきこもり」への理解の広がりや,支援方法の発展につながる一助になればと筆を執った次第である.本稿では,ひきこもりの定義,その背景,支援システムと支援方法,その課題にふれたいと考えている.特にこの特集が契機となって,多くのOTに,ひきこもり支援に参加していただければと願っている.
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