資料
広島県における「ひきこもり」対策支援体制に関する研究―行政機関におけるひきこもり支援体制の実態
高林 史佳
1
,
藤本 眞一
2,3
,
烏帽子田 彰
4
1元県立広島女子大学生活科学部人間福祉学科
2前県立広島女子大学生活科学部人間福祉学科
3現滋賀県草津保健所
4広島大学医学部公衆衛生学教室
pp.478-481
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100896
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近年,増加する青少年の「ひきこもり」に対する社会的関心が高まっている.「ひきこもり」とは,さまざまな原因で社会的な生活への参加の場面が狭まり,自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態を指し示す言葉である.単一の疾患や障害の概念ではない,というのが一般的な見方である1).ひきこもっている者は,そのこと自体に自己嫌悪感を抱きやすく,時には家族ぐるみで悪循環に陥ってしまうことがあるため,何らかの形で,ひきこもり者や家族に対して支援する必要がある.
これまで,公的機関は「ひきこもり」に対する有効な支援機関にはなっておらず,支援のほとんどは民間の支援機関が担ってきた.しかし,90年代半ばを過ぎた頃から相談件数が増え続け,民間支援機関だけでは対応できなくなっており,その頃から一部の公的機関では「ひきこもり」に対する支援を試みる動きが始まった2).
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