特集Ⅱ ひきこもり
扉
楜澤 直美
1
,
香山 明美
2
,
澤 俊二
3
1川崎市百合丘障害者センター
2宮城県立精神医療センター
3藤田保健衛生大学
pp.887
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100214
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特集Ⅱは「ひきこもり」について企画した.内閣府の2010年(平成20年)「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」では,ひきこもりの若者は推定で約70万人,ひきこもり親和群は約155万人に及ぶと記載されている.私たちは,この数字をどう受け止めればいいのであろうか? 自分の身を守るために「ひきこもること」は誰にもある.しかしその状態が長期化することで,自力では元の社会に戻れなくなっている若者が存在する.そこには何らかの支援が必要な場合が多々あるのだ.
1990年代半ばから注目されるようになった「ひきこもり」であるが,一括りにはできないさまざまな要素が含まれており,依然としてその実態はつかみづらい.本特集では,その定義やとらえ方のポイント,支援のあり方について,それぞれの立ち位置から解説していただいた.ひきこもりは状態像であり,精神医学的概念ではない.しかし,ひきこもり状態が長期化することで社会から孤立し,家庭内でも問題を引き起こしていく可能性がある.また,ひきこもりに至る背景には,精神疾患や発達障害による2次的障害が含まれている場合もあり,OTの支援対象でもあることが本特集から十分ご理解いただけるのではないだろうか.
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