海外事情
マディソン地域精神保健報告記
酒井 一浩
1
1大江病院
pp.450-451
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100119
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ACTという取り組みが日本でも広まってきています.精神疾患を抱えた人たちを地域で支えるアウトリーチの一つです.Assertive Community Treatmentの略で,包括型地域生活支援プログラムと訳されています.多職種の医療チームが在宅訪問等のアウトリーチを主体とした多彩なサービスを提供します.私は,そのACT発祥の地である米国ウィスコンシン州マディソンへ,2009年(平成21年)3月,視察研修に行く機会を得ました.現地でみたり感じたこと,日本との違い,そして日本での実践にどう生かすのか等を報告したいと思います.
マディソン報告の前に,米国での精神保健について簡単に紹介させてください.米国の精神保健は,次の3カ所が有名です.ニューヨーク,ロサンゼルス,そしてマディソンです.ニューヨークは,ファウンテンハウスが有名です.世界でいまや30カ国以上・約340カ所に広がっているクラブハウスモデルの源泉です.ロサンゼルスは,ビレッジが有名です.ビレッジについて書かれた本『ビレッジから学ぶリカバリーへの道―精神の病から立ち直ることを支援する』(マーク・レーガン著,金剛出版)を読まれた方もいると思います.ACTで有名なマディソンも含めたこれら3カ所へは,日本からも見学や研修に訪れる方が多いようです.私も3カ所とも訪れましたが,当事者が生き生きとしているリカバリー実践の場に興味がある人にとっては,やはり3カ所とも見学に値する場所だと思います.
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