特別記事
【アメリカの地域保健活動レポート③】ウィスコンシン州デーン郡の地域精神保健活動—マディソン・モデル
鈴木 良美
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1埼玉県立大学短期大学部専攻科地域看護学
pp.230-233
発行日 2002年3月10日
Published Date 2002/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902589
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日本では,精神保健福祉法の改正により,2002年4月から市町村の役割が拡大され,地域の特性を活かした地域精神保健福祉活動の推進が求められています。このような状況の中,地域精神保健のモデル地域として,全米ばかりか世界からも注目されるウィスコンシン州デーン郡での活動を見学する機会を得ました。今回は,デーン郡の精神保健活動について報告します。
アメリカの地域精神保健への取り組みは,地方自治体により実にさまざまです。たとえば,私が滞在していたインディアナ州セントジョセフ郡の状況について,インディアナ大学で精神看護学を教えるキャシー先生は次のように話していました。「残念なことに,この地域では,精神障害者の多くがホームレスになったり刑務所に入れられたりしています」。アメリカでは,1950年代末から退院後の受け皿がないまま急激な脱施設化が進められた結果,現在でも多くの問題を残しており,セントジョセフ郡も例外ではありません。
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