Japanese
English
研究
中等度から重度のアルツハイマー型認知症者のカイワレ大根の収穫とぬりえの作業遂行能力の比較
A occupational performance comparison of white radish sprouts harvest and coloring in people with moderate to severe Alzheimer's disease
江口 奈央
1
,
小浦 誠吾
2
,
小川 敬之
3
,
植松 昌俊
1
,
江口 喜久雄
1
,
田村 沙耶花
4
Nao EGUCHI
1
,
Seigo KOURA
2
,
Noriyuki OGAWA
3
,
Masatoshi UEMATSU
1
,
Kikuo EGUCHI
1
,
Sayaka TAMURA
4
1医療法人和敬会 国見ヶ丘病院
2九州保健福祉大学大学院
3九州保健福祉大学
4医療法人和敬会介護老人保健施設 神楽苑
キーワード:
作業遂行能力
,
アルツハイマー型認知症
,
意志
Keyword:
作業遂行能力
,
アルツハイマー型認知症
,
意志
pp.178-185
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100051
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Abstract:臨床場面で認知症の高齢者への作業療法の導入は,作業遂行能力の低下や意欲の低下により困難となることが多い.しかしながら,これまであらゆる作業を提供する中で,重度の認知症の高齢者へ園芸作業を提供したときは,作業に関わろうとする動作がみられた.そこで,OTが中等度から重度のアルツハイマー型認知症(以下AD)の高齢者10名に対し,園芸作業であるカイワレ大根の収穫と,創作活動であるぬりえを提供した.その際の対象者の反応を,園芸作業遂行特性評価表と意志質問紙(VQ)で評価し,比較した.その結果,ぬりえよりもカイワレ大根の収穫のほうが,園芸作業遂行特性評価表の得点と意志質問紙(VQ)の得点がともに有意に高いことがわかった.また,実施直後の記述・映像による評価で,カイワレ大根の収穫では,ぬりえよりも自発的に作業に手を伸ばし関わろうとする対象者が多かった.本研究より,ぬりえと比較してカイワレ大根の収穫は,中等度から重度のADの高齢者にとって,より興味や意欲を引き出しやすい可能性が示唆された.
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