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English
研究と報告
軽度から中等度のアルツハイマー型認知症における上肢運動機能障害の特徴―認知症重症度,課題難易度との関連性
Dysfunction of upper-extremities in patients with mild to moderate Alzheimer's disease: the influence of disease severity and task difficulty on manual performance.
高見 美貴
1
,
千田 富義
2
Miki Takami
1
,
Tomiyoshi Chida
2
1秋田県立リハビリテーション・精神医療センター
2東北文化学園大学医療福祉部リハビリテーション学科
1Akita Prefectural Center of Rehabilitation and Psychiatric Medicine
2Faculty of Medical Science and Welfare, Tohoku Bunka Gakuen University
キーワード:
アルツハイマー型認知症
,
上肢運動機能障害
,
認知症重症度
,
課題難易度
Keyword:
アルツハイマー型認知症
,
上肢運動機能障害
,
認知症重症度
,
課題難易度
pp.263-269
発行日 2010年3月10日
Published Date 2010/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101727
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要旨:アルツハイマー型認知症(AD)における上肢運動機能障害の特徴をManual Function Test(MFT)を用いて分析した.対象は軽度から中等度のAD患者146名,対照群20名であった.MFT下位項目の難易度順は左右上肢とも同様であり,難易度の低い順から「つかみ」,「手掌を後頭」,「つまみ」,「手掌を背部」,「側方挙上」,「前方挙上」,「立方体運び」,「ペグボード」であった.AD患者は対照群に比べMFT総点は低下し,重度なほど低得点であった.課題の難易度が高い項目で,重症度が高いADのMFT得点が低下し,難易度の低い項目では各群間に差がなかった.上肢運動機能の左右差の検討では,健常者は課題難易度の高い課題で右上肢運動機能の優位性が出現するが,重症度が高いADでは左右差が認められなかった.難易度の高い課題の場合,重症度が高いADでは課題の難易度に見合う課題遂行能力を保持できず,課題遂行状況が悪化したと推論した.
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