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Key Questions
Q1:痛みに対する作業療法の評価のポイントは?
Q2:介入の際の注意点は?
Q3:痛みに対する作業療法の課題とは?
はじめに
痛みは第5のバイタルサインとしてとらえられるようになってきている.痛みは日常生活活動を妨げる重大な阻害因子であり,その部位や程度,活動に与える影響を含めた包括的な対応が必要となる.
海外においては,1994年(平成6年)に国際疼痛学会により,「作業療法および理学療法の学校教育のための痛みの概要カリキュラム」が発表され,教科書が刊行されている1).また,わが国でも痛みに対するリハの書籍が刊行されるに至っており,痛みに関するリハが注目されるようになってきている2).
しかしながら,わが国のOT養成教育においては,「痛み」に対する独立した単元はなく,十分な教育体制が確立しているとは言い難い状況にある.そのため,現場での不適切な対応により,疼痛の増悪を招くことも懸念されている.厚生労働省研究班による「痛みに関する教育と情報提供システムの構築に関する研究」では,「痛みの教育コンテンツ」を作成し,痛みに関する基礎からリハ,精神心理学的アプローチに至るまでの内容を公表している3).
作業療法で関わる機会の多い痛みは,手外科関連疾患,難治性疼痛,腰痛等のような運動器に関連する痛みが多いが,脳卒中後の肩手症候群,悪性腫瘍に関連したものであれば,がん性疼痛,スピリチュアルペイン等,数多く存在する.
現状では,複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)に特化して対応している施設は少ないのが実情であるが,本稿では慢性疼痛を中心に解説する4~6).
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