Japanese
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特集 痛みと作業療法
痛みに対する包括的アプローチ
Comprehensive approaches for pain
松原 貴子
1
1日本福祉大学(保健学)
pp.17-21
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001100005
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Key Questions
Q1:多職種連携での学際的痛み治療とは?
Q2:難治性の慢性痛に対するリハとは?
Q3:運動を取り入れた痛みのリハとは?
学際的痛み治療
学際的痛み治療には学際的(multidisciplinary)アプローチと集学的(interdisciplinary)アプローチがあり1),本来は異なる意味をもった用語であるが,現在では同義語として使われることも多い.学際的とはいくつかの異なる(multi)専門領域(disciplinary)の医療者が痛み治療を行うことで,つまり,各専門領域間につながりがある必要はない.一方,集学的とはいろいろな領域の医療者がチーム(interdisciplinary)として患者を診察し,各領域の意見を相互に統合したうえで,多角的かつ包括的に診断および治療方針を立てて痛み治療を行うことである.本稿では後者の集学的な取り組みを学際的痛み治療として紹介し,痛みの包括的アプローチを考えることとする.
学際的痛み治療は,学際的痛みセンター等において,痛み治療チームにより集学的かつ包括的に行われるものである(図1).痛み治療チームは基本的に医師(整形外科,神経内科,麻酔科,精神科等),看護師,臨床心理士,PT,薬剤師等で構成されることが多く,さらにOTや職業訓練・支援を行えるスタッフが重要となるため痛み治療チームの一員となっているところもある2).
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