内視鏡外科手術に必要な解剖と術野の展開・13
縦隔
岡林 寛
1
,
白日 高歩
2
1国立療養所福岡東病院呼吸器外科
2福岡大学医学部第2外科
pp.41-46
発行日 2003年2月15日
Published Date 2003/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900380
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はじめに
縦隔に対する代表的な内視鏡的アプローチ法として,胸腔鏡と縦隔鏡がある.診断的使用が主体の縦隔鏡に比べて,胸腔鏡は応用範囲が広く,適応も次第に拡がりつつある.縦隔への内視鏡的到達法の特徴として,(1)骨性胸郭の狭い間からのアクセス,(2)肺の存在(術中の呼吸管理も含む),(3)大血管,神経の存在,(4)狭視野,などが挙げられる.これらに対して,体位やアクセス部位の選択,展開法などの解剖学に根ざした工夫によって,より良視野で安全な手術操作が可能となる.内視鏡下手術中の不慮の出血などにより開胸移行が必要な場合にも,その決断や開胸部位の選択に解剖の知識が必要なことは言うまでもない.
本稿では,胸腔鏡・縦隔鏡下手術に必要な解剖と術野展開の基本を解説した.ただし,対象の縦隔臓器のうち,食道,心臓,大血管は除外した.
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