演習・放射線診断学 CTスキャン読影のコツ・4
縦隔
田坂 晧
1
1東大放射線科
pp.1556-1561
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216092
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「CTスキャン読影のコツ」というタイトルを本誌の編集室がつけています.CTの映像を見て判断するのに,なにか名人芸的な勘のようなものが必要で,その「コツ」が述べられるのだと考えないでいただきたい.X線診断の修練では,このような意味のコツは排除するところから始められると考えてください.
X線診断で読影という作業を合理的に客観的に進めてゆくのに必要な基礎が2つあります.第1は種々のX線撮影やCTなどで画像がどのようにつくられるかについて,基礎的に十分な理解をもっていることです.第2には画像に対応する元となる正常の解剖,および種々の病変で起こる形態の変化についての正確な知識です.この2つから,どの症例についても常に,再現性のある,一定の確からしさをもった判断が,いつでも同じように進められるようにするところにX線診断の基本的姿勢があります.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.