論説
内視鏡下手術における安全対策と水準確保—Safety Management and Quality Assurance in Endoscopic Surgery
古川 俊治
1
1慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
安全対策
,
医療過誤
,
医事紛争
Keyword:
安全対策
,
医療過誤
,
医事紛争
pp.510-518
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900268
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
内視鏡下手術がビデオモニターに映し出された手術視野を見ながら行う特殊な手術であることに起因して,様々な合併症が発生することが明らかになってきた1).臨床的な医療過誤防止については,safety managementとquality assuranceという類似した2つの概念があるが,前者が「人は誰でも間違える」を前提に,間違えを防げないシステムの問題ととらえて,業務体制改善によって,より安全な医療を提供していく対策を意味するのに対し,後者は医療を科学的根拠に基づいて標準化し,個々の医療従事者の研鑚によって,より質の高い医療を提供していく対策を意味するというニュアンスの違いがある.本稿では,医事紛争解決例の事案を参考に,safety managementについて医療過誤防止策を,quality assuranceについてインフォームド・コンセントを中心に述べる.
Copyright © 2001, JAPAN SOCIETY FOR ENDOSCOPIC SURGERY All rights reserved.