基本手技シリーズ・16
腹腔鏡下手術における止血法—クリップ止血法を中心に
金田 悟郎
1
,
高橋 俊毅
1
,
山本 学
2
1国立相模原病院外科
2足立共済病院
pp.371-374
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4426900160
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はじめに
1983年にドイツの産婦人科医Semm1)により腹腔鏡下虫垂切除術の報告がなされてから,消化器領域における腹腔鏡下外科手術が普及してきた.しかし,現在のように定着してきたのは,1987年にフランスのMouretにより,また1988年にPerisatら2)により報告された腹腔鏡下胆嚢摘出術の登場からである.わが国でも,1990年に山川ら3)により腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行・報告されてからの普及は目覚ましいものがある.
本手術は術創が小さく,術後疼痛が軽微であるいわゆるminimally invasive surgeryとして普及してきたが,開発当初はきわめて新しい手技であるため様々な手技的・機器的困難に遭遇することとなった.このなかでも特に問題となる偶発症の1つとして挙げられるのが術中出血であろう.
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