手術テクニック
癒着例における腹腔鏡下子宮全摘術
奥田 喜代司
1
1大阪医科大学産婦人科
pp.391-393
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.4425900225
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はじめに
産婦人科手術の中でも,子宮筋腫などに対する子宮全摘術は最も頻度の高い手術の1つである.従来より子宮全摘術には腟式子宮全摘術(腟式)と腹式子宮全摘術(腹式)があり,腟式は腹式に比べて術後の回腹が早く,合併症も少ない.しかし,腟式子宮全摘術は腹式に比べて,手術適応が厳しく,熟練を必要とするためにその施行頻度は低かった.近年,腹腔鏡下手術の発展により腹腔鏡下子宮全摘術が可能となり,腟式の適応外とされてきた腹腔内癒着例や卵巣嚢腫合併例などに対しても開腹を避け得るようになった.すなわち,子宮全摘術における低侵襲手術の適応症例が8割前後まで拡大できるようになった.
本稿では子宮全摘術における腹腔鏡下子宮全摘術の位置,特に癒着例における本手術の“コツ”と限界を述べてみたい.
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