特集2 ERスタンダード 敗血症—GLやエビデンスをふまえた実臨床でのアクションとは
【Part 2】各論
3.輸液はいつまで入れるのか?—敗血症性ショックで必要な輸液量と輸液速度を見極めるには
太田 孝志
1
,
大西 尚哉
1
Koshi OTA
1
,
Naoya ONISHI
1
1大阪医科薬科大学病院 救急医療部
pp.546-552
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200131
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敗血症性ショックは「十分な輸液負荷にもかかわらず,平均血圧65 mmHg以上を維持するために血管作動薬を必要とし,かつ血清乳酸値が2 mmol/L(18 mg/dL)を超えるもの」と定義されており1),輸液戦略は初期蘇生治療から重要なものと位置づけられている。
一方で,敗血症性ショックにおける蘇生輸液は晶質液が推奨されているものの,必要輸液量についてはいまだ一定の見解は得られていない。最近の研究でも,輸液量を制限せずに投与した群と早期に昇圧薬を使用して輸液量を制限した群で,90日後の死亡率に有意差がなかったと報告されている。
本稿では最近の臨床研究も含めた初期輸液の量,および種類に関わる注意点,そして心機能・輸液反応性の評価について,筆者の経験も交えながら解説する。
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