特集2 ERスタンダード 外傷—非外傷医でも,ここまで迫れる! ここまでできる!
【Part 1】総論
【コラム1】外傷スコアリングの罠—各種スコアの適用と限界を押さえて,使いどころを把握する!
白石 淳
1
Atsushi SHIRAISHI
1
1亀田総合病院 救命救急科
pp.394-397
発行日 2024年1月25日
Published Date 2024/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200105
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この患者は目を閉じていて,肩を揺すぶり大声をかけてようやく開眼する。それでも,「はい」くらいしか言ってくれない。痛み刺激の場所には手を伸ばしてくる。Glasgow Coma Scale(GCS)は,開眼(1〜4点)が2点,言語(1〜5点)が3点,運動(1〜6点)が5点で10点だ1)。中等度の意識障害がある。
このように我々は診療の折々でスコアを用いる。特に,外傷診療ではいくつかの外傷スコアが,診療のみならず研究や医療の質の評価のために広く使用されている。外傷スコアの基本的な疫学的概念と,頻用される外傷スコアと,適用と限界を知ることが本稿の目的である。
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