Japanese
English
研究と報告
本邦におけるHachinskiの脳虚血スコアの適用とその問題点
Application and Its Problems of the Hachinski Score in Japan
河合 真
1
,
永富 公太郎
1
,
宮本 公夫
1
,
宮本 佳子
1
,
田辺 正男
1
,
谷内 律子
1
Makoto Kawai
1
,
Kotaro Nagatomi
1
,
Kimio Miyamoto
1
,
Keiko Miyamoto
1
,
Masao Tanabe
1
,
Ritsuko Taniuchi
1
1医療法人宮本病院
1Miyamoto Hospital
キーワード:
Hachinski score
,
Multi-infarct dementia
,
Senile dcmentia
Keyword:
Hachinski score
,
Multi-infarct dementia
,
Senile dcmentia
pp.485-490
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203583
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抄録 Hachinskiの脳虚血スコアの各項目を,その相互の関連において検討して基準の明確化を図り,本邦における臨床適用を容易にした。次いでそれに基づいて分類された痴呆型の臨床症状を頭部CT所見との比較も含めて検討し,各痴呆型の性格の特徴づけを試みるとともに,スコアの有効性を吟味した。
(1)頭部CT所見上,脳血管障害性痴呆型において,混合痴呆型,老年痴呆型に比べ有意に高率の,明らかな異常低吸収領域を認めたが,その意味づけには慎重を要する。
(2)混合痴呆型に特徴的な臨床症状を認め,この痴呆型を詳細に検討することによって,各痴呆型の位置づけを明確にしていくことができると考えた。
(3)スコアの項目にある臨床症状は,いずれも老人痴呆一般にみられる非特異的症状であるが,各痴呆型間で出現頻度に有意差のとれないものもあり,痴呆の臨床鑑別のためには,さらに検討が必要と思われた。
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