特集2 ERスタンダード 心不全—「っぽい」の核心をとらえて,しっかり対応する!
【Part 2】「心不全」としてやってみよう
6.初期治療②:NPPV,HFNCを導入するとき—開始の判断,切り替えのタイミングを会得するには
野間口 一輝
1
,
加藤 陽一
2
Kazuki NOMAGUCHI
1
,
Yoichi KATO
2
1霧島市立医師会医療センター 救急科
2熊本赤十字病院 救急科
pp.296-303
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200084
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急性心不全の治療では,利尿薬や血管拡張薬といった薬物療法*1だけでなく,各種呼吸療法も大変重要な役割を果たしている。特にCS1と呼ばれる病態における呼吸不全=急性の肺水腫では,軽症には鼻カニューレやマスクでの低流量の酸素投与が,重症度が増すとNPPV(非侵襲的陽圧換気)やHFNC(高流量鼻カニューレ),そして気管挿管+人工呼吸器という呼吸療法が治療の選択肢に挙がってくる。しかし実際に患者を目の前にすると,何を根拠にどの呼吸療法を選択すべきなのか,またどのように導入し調整すべきなのか,迷うこともあるだろう。
本稿では,急性の心原性肺水腫による呼吸不全を念頭に,各呼吸療法の特徴と使い分けを概説し,各呼吸療法から気管挿管+人工呼吸器に踏み切るタイミングについても論じる。さらにNPPVおよびHFNCについては,その有効性や注意点,具体的な使い方を掘り下げていく。
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