特集1 救急医療のリベラルアーツ 救急医ルートの多様性と現実解【前編】
1.2年間も費やしてMPHってとる意味あるの!?
宮本 雄気
1,2
Yuki MIYAMOTO
1,2
1京都府立医科大学 救急医療学教室
2医療法人双樹会 よしき往診クリニック
pp.202-210
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200072
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一般的に,博士号(Ph.D.)を取得するためには,修士課程の卒業を必須としている大学院がほとんどである。一方で医学部医学科を卒業した場合,本来であれば修士課程に進学せずとも博士課程に進学可能である。にもかかわらず,あえて2年(あるいは1年・3年)を費やして修士課程に進学するメリットは何であろうか? 何を得ることができて,何を失うのだろうか?
本稿ではこの疑問を足がかりにして,救急医が公衆衛生学修士(MPH)*1を取得するメリットを,自身の体験・経験をもとに(エビデンスに満ちた本誌でn=1の話をするのは恐縮だが…)検討していく。そしてここでは,キラキラした内容ばかりではなく,自身のコンプレックスや失敗談も含めて記すことにしよう。
なお,筆者は国内の公衆衛生大学院(SPH)*1出身であり,本稿では主に国内SPHについて解説する。
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