連載 公衆衛生院からの発信・3
専門課程とMPH—公衆衛生専門家の登竜門
西田 茂樹
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1国立公衆衛生院保健統計人口学部
pp.198-199
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902261
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前号でご紹介したように,国立公衆衛生院では保健所長資格の要件を定めた地域保健法施行例第4条第2項「国立公衆衛生院の行う養成訓練の課程を経た者」の課程として「専門課程」を設置しています.しかしこの「専門課程」では単に保健所長資格のためだけに教育を実施しているのではありません.「専門課程」は,幅広い職種に対して広い視野に立って公衆衛生学に関する精深な知識,技術,技能を授け,公衆衛生分野におけるリーダーとなるのに必要な高度な能力を養うことを目的としています.諸外国においては,公衆衛生の教育は大学院レベルの公衆衛生学校(School of Public Health;SPH)で主として修士課程(Master of Public Health;MPH)の水準で実施されています.医師以外の人々も教育対象としているのが普通で,まさに公衆衛生の専門家を養成することを目的としています.国立公衆衛生院の「専門課程」も同様に公衆衛生の専門家の養成を目指して設置しており,修業者には諸外国のSPHと同様にMPHの称号を院長名で授与しています.
「専門課程」の入学資格は,1)医師・歯科医師・獣医師・薬剤師(免許取得見込者を含む,獣医師・薬剤師は6年制の大学を卒業した者),2)昭和51年度以降の国立公衆衛生院専攻課程を修業した者,3)公衆衛生に関連のある大学院修士課程・博士課程前期を修了した者,4)前各号に掲げる者と同等以上の学力を有すると院長が認めた者,となっており医師以外にも広く門戸は開かれています.
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