特集1 救急医療のリベラルアーツ 救急医ルートの多様性と現実解【前編】
2.救急医がMBAホルダーになって見えてきたもの
安藤 裕貴
1
Hirotaka ANDO
1
1一宮西病院 総合救急部 救急科
pp.212-219
発行日 2023年9月25日
Published Date 2023/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200073
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“8年目のジレンマ”をご存じだろうか。これは筆者が勝手に作り出した造語だから,当然,知る人は少ない。しかし,理解を示してくださる方もあるかもしれない。
医師7〜8年目になると,専門医を取得して「資格を活かして活躍を!」と意気込むのだが,目の前に壁のように立っていたモノが姿を消すと,「あれ? これいいのだろうか?」と自問自答する精神的余裕も生まれてきて,キャリアパスやライフプランに悩む時期が訪れるのである。そういったとき多くの救急医は,サブスペシャルティを身につけ始めたり,他稿*1で取り上げられている大学院での博士(Ph.D.)課程や公衆衛生学修士(MPH)課程を考えたり,渡米や国内留学を検討してみたり,家族の顔を見て開業や転職を試みようとする人もある。
そういったなかから筆者は,経営学修士(Master of Business Administration:MBA)という選択肢を拾い上げ,挑戦した。まだ比較的珍しい「ER型救急医×MBA」という組み合わせなのだが,読者の皆さんに多少なりとも驚きをもって迎え入れていただければ幸甚である。
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