特集1 救急医療のリベラルアーツ ドクターカー&ヘリ運用の今を問う
【Part 2】運用に関わる論点を知る
5.CPA患者にはドクターカーを出動させるべきか?
吉村 有矢
1
,
平野 洋平
2
Yuya YOSHIMURA
1
,
Yohei HIRANO
2
1八戸市立市民病院 救命救急センター
2順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科
pp.40-44
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200043
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救急救命士に可能な特定行為は少ない
現在の日本の救急救命士が心停止に対して可能な特定行為は,胸骨圧迫,除細動(AED),人工呼吸を含む一次救命処置(BLS)に加えて,気管挿管(ビデオ喉頭鏡を含む),声門上デバイスの使用,静脈路確保であり,投与できる薬剤はアドレナリンのみである*1。
日本の救急隊,救急救命士に許可された処置,特定行為は他国と比べて非常に少ない。海外の研究では,院外心停止の蘇生に医師が参加すること,およびドクターカーの有用性を否定する報告があるが,日本とは事情が異なる。ほかの国の臨床研究の結果を鵜呑みにしてはならない。
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