特集2 ERスタンダード ショック—最速介入のための認知力と確かな対応力を身につける
【Part 2】対応力を磨く
【コラム3】必要となるデバイスと導入のタイミング—施設事情に応じて最短距離で駆け抜ける戦術を立てる
松田 律史
1
,
松本 悠
2
Norifumi MATSUDA
1
,
Haruka MATSUMOTO
2
1札幌東徳洲会病院 救急集中治療センター/画像・IVRセンター
2北海道大学病院 救命救急センター
pp.172-177
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3105200026
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慌ただしい救急外来では,同時に複数の患者対応を求められる。重症例にどれだけのマンパワーを割けるか,手技にかかる時間を捻出できるか,といったマネジメントの問題が発生する。
この問題は,環境や現有戦力によって発生頻度や程度が異なる。救急専門医が常駐しているか,専門家ではない救急担当医が処置を行うかによっても,当然,解決方法は異なる。デバイス導入のタイミングに関して,唯一無二の最適解は存在しない。また,一概に救急専門医といっても専門性や得意分野が異なれば,治療対象とする患者層も異なるため,思考回路やマンパワー配置などの考え方も異なってくる。
このため本稿では,立場の異なる2名の筆者が1つのテーマを論じ,合意形成した事項,意見が分かれた点などを明示しながら,いかに迅速に末梢循環不全を解消できるかを,救急専門医の思考過程などを含めながら解説する。松田は,救急専門医取得後,interventional radiology(IVR)研修を開始し,現在は放射線科を兼任しつつ二次救急施設で診療を継続している。松本は,救急専門医取得後,麻酔科研修を終え,三次救急施設で修練を重ねている。
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