別冊秋号 透析と麻酔
PART1 透析医療について
8 腹膜透析の実際
川口 祐輝
1
,
星野 純一
1
1東京女子医科大学 腎臓内科
pp.65-69
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200357
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日本における慢性維持透析患者の総数は,2021年末時点で34万9700人であり,そのうち,腹膜透析peritoneal dialysis(PD)を行う患者数は1万501人で,割合としては全体の3.0%である1)。他国をみてみると,慢性透析患者におけるPDの割合は,米国で10.0%,英国で12.7%,ブラジルで56.5%,韓国で10.5%となっており2),日本が極めて特殊な状況にあることがわかる。現在,米国や日本では,在宅医療としてのPDや腎移植を推進する動きが活発になっており,診療報酬の加算や新設が進んでいる。また,近年,情報通信機能を搭載した自動腹膜灌流用装置が登場したことで,PDによる除水量,血圧,体重などを遠隔でモニタリングすることが可能になり,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行も相まって,PD患者数は徐々に増加傾向にある。
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