別冊秋号 オピオイド
PART1 臨床編
18 オピオイドのやめどきがわからない!—借金地獄から抜け出すには
島田 宣弘
1
1自治医科大学 麻酔科学・集中治療医学講座
pp.115-120
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200300
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慢性疼痛へのオピオイド処方は,返済の当てもなく借金を繰り返すようにドツボにはまりやすい。処方だけなら簡単で,はじめは「痛み治療をやってる」という満足感がある。しかし痛みは取れず,逆に患者の生活の質は低下していく。依存かも?と思ってもやめどきがわからず,痛みの訴えに応じて増量……。一時しのぎの処方から増え続ける薬剤,低下し続ける生活の質という返済できない利子が膨らみ,処方医も難治性慢性疼痛患者という負債を抱える。このような借金処方による乱用・依存が蔓延し,社会全体の負債になるとオピオイドパンデミックが起こり得る。患者,社会,処方医自身を借金地獄から救うために何ができるだろうか?
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