別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART4 静脈性血栓
23 周術期肺血栓塞栓症
中澤 絢乃
1
,
黒岩 政之
1
1北里大学医学部 麻酔科学教室
pp.171-178
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200240
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院内死亡の約10%は肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolism(PTE)が原因とする報告や,病理学的には術後30日以内の死はPTEに関係しているとする報告がある1,2)。日本麻酔科学会では周術期の症候性PTEを麻酔関連の合併症として扱っている3)。PTEと深部静脈血栓症deep vein thrombosis(DVT)は一連の病態であり,静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)と総称されている。周術期患者においてVTE予防を適切に行い,PTEのリスクを最小限にすることは,臨床的に安全かつ有効である4)。
本稿では周術期PTEの発生機序,病態,予測因子,予防法,対処法について解説する。
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