別冊秋号 —麻酔科医なら知っておきたい—血栓症・塞栓症
PART3 動脈性血栓
20 非閉塞性腸間膜虚血
鈴木 修司
1
,
下田 貢
1
,
島崎 二郎
1
1東京医科大学茨城医療センター 消化器外科
pp.143-147
発行日 2021年9月17日
Published Date 2021/9/17
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200236
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概要
非閉塞性腸間膜虚血non-occlusive mesenteric ischemia(NOMI)は,1958年にEnde1)が心不全患者に発症した小腸壊死をきたした病態として初めて報告した疾患概念である。腸間膜血管主幹部に器質的な閉塞を伴わないにもかかわらず,分節状,非連続性にその支配領域の腸管血流障害をきたす病態である。発症早期には特異的な症状に乏しく,継時的な変化で虚血の進行を認めるため,致死率も56〜79%と非常に予後不良な疾患である2,3)。
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