別冊秋号 周術期管理
PART5 周術期チーム医療のこれから
46 ロボット麻酔が周術期管理にもたらすもの
重見 研司
1
,
長田 理
2
,
松木 悠佳
1
1福井大学学術研究院医学系部門医学領域器官制御医学講座 麻酔・蘇生学分野
2国立国際医療センター病院 麻酔科
pp.299-304
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200187
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ロボット麻酔というと,全自動麻酔を想像しやすいが,現在はまだその端緒に就いたばかりである。手動で行っていた麻酔業務を機械で代行することを積み重ね,その結果,全自動麻酔が実現すると考えられる。麻酔科医が行う麻酔中の業務は種々雑多多岐にわたり,ついうっかり忘れることや,思い違い,思い込み,注意力が散漫になることもある。また,麻酔科医自身のトイレや水分補給も必要である。長時間にわたって繰り返す単純な業務は,機械に任せるほうが安全性も向上すると考えられる。機械に任せることで,節約できた時間や体力・注意力を,ほかに振り向けることができれば,安全性はさらに向上する。
本稿では,機械にできることを機械に任せることによる,周術期における利点や効用と,欠点や弊害を検討する。
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