別冊秋号 周術期管理
PART3 周術期のリスク評価と検査項目
36 周術期脳卒中
吉谷 健司
1
1国立循環器病研究センター 輸血管理部
pp.233-238
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200177
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周術期脳卒中はperioperative strokeという英語に相当する。脳卒中というと,脳梗塞,脳出血が主な疾患にあたるが,周術期では発生頻度からみると虚血性脳卒中が大部分を占める1)。一般的に虚血性脳卒中は発生頻度は低いが,発症すると厄介で死亡率は6倍になるとされている2)。しかしここ数年,高度な画像診断の普及により,症状をもたない脳梗塞が注目されるようになってきた。以前は,silent strokeと呼ばれていたもので,最近は非症候性脳卒中covert strokeと呼ばれている。この状況を理解し,われわれ麻酔科医が何をできるかについて考えたい。
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