別冊秋号 周術期管理
PART3 周術期のリスク評価と検査項目
29 周術期末梢神経障害
朴 淳姫
1
,
廣瀬 宗孝
1
1兵庫医科大学 麻酔科学・疼痛制御科学講座
pp.183-189
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200170
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周術期の末梢神経障害は末梢神経損傷に関連する術後の徴候や症状と定義され,四肢の感覚異常,筋力低下,チクチクする感覚や痛みなどが挙げられる1)。発生率は0.03%程度と報告されており2),頻度は決して高くない。しかし,米国麻酔科学会(ASA)のclosed claims databaseによると,すべての麻酔に関連する賠償請求のうち神経損傷が占める割合(16%)は死亡(32%)に次いで多い3)。
本稿では,周術期末梢神経障害の成り立ちや麻酔科医が実行可能な予防対策について解説する。
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