別冊春号 2018のシェヘラザードたち
第十六夜 神経ブロック後神経麻痺から学んだ,安全なブロック手技実施のためのシステム構築の重要性
中本 達夫
1
1関西医科大学 麻酔科学講座
pp.101-107
発行日 2018年4月18日
Published Date 2018/4/18
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200016
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超音波ガイド下神経ブロック(USGNB)が日本で普及してすでに10年以上が経過した。USGNBのスタート当初からかかわってきた立場としては感無量である。ただ,USGNBによって期待されたブロック成功率の向上,ブロック効果発現の早さや局所麻酔薬必要量の減少は示されたが,残念ながら神経障害発生率の低下は示されていない1, 2)。
実際,これまでにUSGNB実施後に神経障害が生じ,神経障害とUSGNBの関係や治療・機能予後について相談を受けたことは決して少なくない。
このような相談を受けるようになったきっかけには,私自身が比較的早い時期にUSGNB実施症例での術後神経麻痺を経験したからかもしれない。
私の経験を通して,神経障害の発生頻度をより少なくするためにできること,万が一神経障害が発生した際の神経局在診断・機能予後や治療について,より詳しく知っていただきたい。
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