別冊春号 2018のシェヘラザードたち
第十五夜 フェンタジスタへの道
長瀬 清
1
1岐阜大学医学部附属病院 手術部
pp.93-100
発行日 2018年4月18日
Published Date 2018/4/18
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3104200015
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
レミフェンタニル全盛の時代にあっても,フェンタニルを上手く使いこなすことで,十分な術後鎮痛,麻酔からの穏やかな覚醒と抜管,シバリング予防など,レミフェンタニルによる麻酔の欠点を上手く補うことができる。しかしフェンタニルは麻薬であり,作用持続時間もレミフェンタニルより長い。またフェンタニルは,静脈麻酔薬や吸入麻酔薬と併用すると相乗作用により呼吸が抑制される。つまりフェンタニルの利点と呼吸抑制などの欠点とのバランスは,フェンタニルをはじめとする麻薬を扱う難しさであり,私たち麻酔科医が備えるべき知識や技術である。
術中はレミフェンタニルで安定した麻酔管理を,術後はフェンタニルに切り替えて穏やかな麻酔からの覚醒をと,安全で安心できる麻酔管理を担保したい。つまり術中だけでなく手術終了後も麻薬を上手く使いこなし,患者だけでなく外科医や手術室看護師にも喜ばれる麻酔科医になりたい。
Copyright © 2018, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.