特集 STI/HIV
Part 2 HIV
16.おさえておきたい日和見感染症④ 抗酸菌感染症(結核・非結核性抗酸菌症)—残存免疫の応答性の違いにより,非HIV症例とは異なる非典型的な症状となる
照屋 勝治
1
Katsuji TERUYA
1
1国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター
pp.1017-1028
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901225
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HIV感染症の病態は,「HIVが感染宿主のCD4細胞を破壊することにより体内のCD4数を進行性に枯渇させ,細胞性免疫を破綻させるもの」と表現できる。
細胞性免疫は抗酸菌に対する感染防御機構において最も重要な役割を果たしているため,HIV患者では免疫不全の進行に伴い,結核菌および非結核性抗酸菌(NTM*1)による感染症を合併するリスクが高くなる。正常な細胞性免疫応答が破綻していることから,残存免疫の応答性の違いにより,症状も非HIV症例とは異なる非典型的なものとなる。
本稿では,HIV合併抗酸菌感染症の診断および治療において,留意しなければならないポイントについて概説する。
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