増刊号 感染症クイックリファレンス
臓器
その他
結核症・非結核性抗酸菌症
大藤 貴
1
1公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸器内科
pp.344-347
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207141
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◎定義
①結核症
肺結核は肺に病変があり,気道検体(喀痰,胃液,気管支肺胞洗浄液など)より,Mycobacterium tuberculosis▲28を検出する場合をいう1).肺外結核を疑う場合(例えば胸膜炎,髄膜炎,心膜炎)は,それらの局所検体よりM. tuberculosis▲28が検出される場合をいう.
②非結核性抗酸菌症
非結核性抗酸菌症とは,結核菌群とらい菌群以外の抗酸菌〔非結核性抗酸菌(Non-tuberculosis mycobacteria:NTM)▲29〕によって起こる感染症である.M. tuberculosis▲28と異なり,NTM▲29の多くは環境生息菌である.そのため,肺非結核性抗酸菌症の診断には喀痰や胃液など,身体の外と交通のある部位から得られた検体の場合には混入(contamination)や腐生(colonization)との鑑別が必要となる.1回の検出では混入や腐生の可能性があるため,日本結核病学会の診断基準では喀痰からは2回以上の検出を必要とする.気管支鏡での気管支洗浄液であれば1回でよいとされる(表1)2).
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