特集 透析診療のすべて
Part 4 透析の終わり方
【コラム⑬】透析見合わせに関する法的な注意点—注意義務,説明義務の整理
竹口 文博
1
Fumihiro TAKEGUCHI
1
1東京医科大学 腎臓内科学分野
pp.546-551
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901165
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生命維持に透析を必要とする患者が,透析見合わせを選択した場合,数日〜数週間で死亡する可能性が高い1)。他方,透析を施行した場合には,より長期に生存し得た「高度の蓋然性」2)や,「生存し得た相当程度の可能性」3)が認められる。ここに,透析見合わせにより患者の死期が早まったとして,法的責任を追及される可能性がある4)。
2019年には,毎日新聞の報道5〜7)で社会問題となり,のちに裁判で争われた。医師が適切と考えて透析見合わせを提示した場合でも,遺族やマスコミがこのようにとらえる可能性があるとの警鐘の意味で,当時の紙面を示す(図1)。なお,本稿は報道内容を追認するものではない。
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