特集 透析診療のすべて
Part 2 透析管理の基本と原則
12.透析患者と悪性腫瘍—「透析患者=抗がん薬適応外」ではない
佐々木 昭典
1
Akinori SASAKI
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 消化器内科/腫瘍内科
pp.383-391
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901141
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透析患者および担がん患者の治療は,日本の実臨床において重要なポジションを占めている。主に腎臓内科・腫瘍内科の医師がそれぞれ診療を行っているが,透析患者の化学療法となると,両科の連携がスムーズに行われているとは言い難い。透析患者というだけで化学療法の適応から外されるケースも少なくない。しかしながら,化学療法の進歩により透析患者でも十分な予後改善が見込める場合もあり,透析患者に個別に対応し,患者にとって最も適切な治療が行われるべきである。
本稿では,透析患者における悪性腫瘍の疫学,スクリーニング,そして実際に化学療法などの治療を行う際の注意点について述べていく。症例が少なくエビデンスに乏しい分野もあるが,読者の臨床に役立てば幸いである。
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