講座 図解病態のしくみ 神経・筋疾患・12
脱髄疾患—炎症性脱髄疾患,とくに多発性硬化症(MS)を中心に
黒田 康夫
1
,
柴崎 浩
1
Yasuo Kuroda
1
,
Hiroshi Shibasaki
1
1佐賀医科大学・内科学(神経内科部門)
pp.2847-2851
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218833
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脱髄とは
神経系(中枢,末梢いずれでも)はニューロンとその支持細胞から構成されている.ニューロンは神経系機能の基本である電気活動の発生と伝導を行う最も重要な神経系の構成要素である.
ニューロンの細胞体は外に向かって多くの突起を出す(図1).この突起は樹状突起(dendrite)と軸索突起(axon)に分類される.軸索突起は1つのニューロンに1本のみ存在し,数mmから1m以上の長さにわたり,その機能は細胞内から筋や腺などの効果器官,シナプスを形成する他のニューロンに電気活動を伝導することである.
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