特集 ホスピタリストのための画像診断—②脳脊髄編
Part 1 総論
1.頭部CTの読影手順—「ふな釣り」のごとく奥深い世界
松木 充
1
Mitsuru MATSUKI
1
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児画像診断部
pp.385-395
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901039
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私は頭部CTの読影を,「釣りはふな釣りに始まり,ふな釣りで終わる」という格言に例える。子どもの頃にふな釣りを経験した人なら,初めて親に近くの川や池に連れられ,竿を渡され,言われるがまま水面に糸を垂らして簡単に1匹を釣って喜んだこともあるのではないか。いわゆる“beginner's luck”で,そのあとはからっきし…。その後,海釣り,磯釣り,渓流釣りや季節に合った釣り方,釣り場に合った釣り方を経験し,再びふな釣りに戻って,その奥深さを知る。
頭部CTも同様である。初学者に「どの領域のCTを読影できるか」尋ねると,口をそろえて「頭部」という。そのとき私は,彼らが誰にでもわかるような被殻出血を脳出血と診断したり,ペンタゴンの高吸収を見てくも膜下出血と診断したりして得意満面になっている姿を思い浮かべ,頭部CTの奥深さをまだわかっていないと感じるのである。
本稿は,読者が頭部CTの奥深さを少しでも実感できれば,目的を達成したといえる。
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